後肢麻痺 (1月6日 術後約7ヶ月)

 

夜、ダンナが仕事から帰ってきたあとレディを外へ出してあげました。

そして帰ってきてから「後足に力が入らない」という。

途中までは雪山にも登ったりしていた様子。

「もしかしたら血栓ができたのかも・・・」

 

どうして?レディは何も悪いことしていないのに、こんなにも優しい子なのにどうしてこんなにも

辛い思いをさせるの?

神様ってホントいないと思いました。残酷だと思いました。

ダンナに「安楽死っていつしてあげればいいんだろうか」と尋ねました。

「今でもいいのかもな」とダンナが言いました。

レディをなでながらボロボロと涙が出てきて止まりませんでした。新年を迎えてから一度も

ぐっすり眠っていないレディ。

「もうぐっすり眠る?」と聞くとレディはずっと下と向いてただただ荒い呼吸を繰り返していました。

ダンナと二人ボロボロ泣いているとレディが心配したのか不安になったのか

呼吸がどんどん速くなってきてしまいました。

一旦その場を離れて私達は夕飯を食べました。

けど、何を食べているのか、どんな味なのかよく分からない・・

二人ともなかなか食事が進みませんでした。

 

犬や猫などペットを飼っている人が私達のような状態になったとき、時には

安楽死も選択手段のひとつになるでしょう。

それを実行するのは獣医。傍で眠っていくかわいい動物を見続けるのは本当に辛いでしょう。

本当に安楽死を選んでよかったのか?と後悔する方もいらっしゃるでしょう。

もしかしたら奇跡が起こるかもしれないと思う方もいらっしゃるでしょう。

それは獣医である私たちも同じです。

少なくとも私は同じ気持ちです。

レディの苦しそうな顔を見ていると、本当に辛い。

眠らせてあげるのが一番かもしれない。

けど・・・もしかしたら奇跡が起こるかもしれない。

ずっとそんな考えがぐるぐる頭の中を巡っていました。

ましてや自分の手で安楽死・・できるのだろうか?という気持ちもありました。

ダンナは私に言いました。

もし安楽死をするなら俺がやるから・・お前はレディの顔を見てずっと抱きしめていてあげて。

レディが不安にならないように・・

私のために、レディのために自分が一番やりたくない事を引き受けてくれました。

やりたくない。

けどレディにとって一番いいのは?

答えが出ないまま一日が終わりました。

 

         

 

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