病理解剖
一夜明けてレディの顔を見てもまだ亡くなったという実感がない。
今日はレディを連れて大学へ向かいました。レディを病理解剖するためです。
色んな治験薬を頂いたので、それがレディにどのように影響したか、その結果が今後の獣医医療に
役立つことができる。
臓器は全て提供することにしました。ただし頭だけは解剖しないでくれと頼みました。
賢く優しいレディの顔や頭に傷をつけたくなかったから。
出かける寸前まで吹雪だった天気も、車に乗るときにはもう晴天となっていました。
晴れててよかった。
大学に着くと病理解剖学教室の学生達が待っていました。レディをお願いした後、私達は一旦
その場を離れました。
ずっとレディをかわいがってくれて、病気が発覚した時も迅速に対応してくださったU先生には
FAXでレディの死を報せました。
数時間後、再び大学へ。
OPEして下さったK先生と助手の先生が解剖を終えたレディを運んできてくれました。
とても解剖したとは思えないほどきれいな体のまま帰ってきました。
肺の肉眼所見も見たくてデジカメで撮影をお願いしていたのですが、想像以上にひどい状態でした。
本当にレディはがんばったなあ・・・こんな状態まで・・・
帰りにダンナが学生の頃からフィルムの現像をよくお願いしていた写真屋さんへ写真を取りに
行きました。ちょっと前に現像に出していたのです。
出来上がった写真を見ると、1枚大きく引き伸ばされたレディの写真が出てきました。
それはクリスマスの時に撮った写真でした。
なんとサービスでしてくれたと言うのです。
可愛いレディ。愛らしい瞳。あの頃はまだ元気だったのに・・・車の中で写真を見つめて
また涙が出てきてしまいました。
猛吹雪の中自宅に着くと、お花屋さんから留守電が入っていました。
ダンナの職場の院長先生がお花を届けていてくれたのです。また、夜U先生から電話があって、
私がFAXをした後、休日だったのにわざわざ大学へ出向いてくださったことを聞きました。
ちょうど私達がレディを病理学教室の方々にお願いして去った後に先生がいらしたようで、
「レディには会えたのよ」と話してくれました。
レディ、U先生のこと大好きだったものね。よかったね。
先生は私達のこともレディのことも、本当によくがんばったわね、と褒めてくださいました。
なんだか少し心が楽になった気がしました。
PM11時。
いつも寝る前にレディをトイレに連れて行く時間。
連れていくのはいつもダンナでした。
もう行く必要がないのに、ダンナは落ち着かないのか「散歩に行ってくる」と外へ出て行きました。
でも、姿は1人だったけど、レディはしっかり後ろをついていったよ。
嬉しそうにゆっくりとしっぽを振って・・・
今日も1日うちで眠ろうね。
明日は本当のお別れです。