重い決断

 

レントゲンを撮った日の夜、U先生にメールをしました。

レントゲンに腫瘍らしきものがあること、排便困難であること・・・

するとU先生はすぐに大学の家畜病院の診療をしている先生方に話をして下さいました。

翌日診療日でないにもかかわらず、私達のために画像診断科のN先生が

CTを撮って下さり、腫瘍科のK先生が診てくださいました。

そして・・K先生の診断結果はやはり骨腫瘍でした。

K先生自身、あまりしたくない手術だとおっしゃいました。

まず、この腫瘍に対して選択される手術方式は骨盤片側切除と断脚。

そして抗癌剤治療。でもそこまでやっても生存率中央値は1年と言われました。

 

今、目の前にいるレディがいなくなるということが想像できない・・・

でも、このまま放っておけば腫瘍がいずれ腸管を圧迫し、閉塞して死んでしまうだろう。

手術しか選択方法はない。

K先生は患肢温存方法(断脚をせずに腫瘍だけをある程度取り除く方法)も提案して下さったのですが

残した右後肢がその後どこまで回復するか分からない。

それに骨腫瘍の場合癌の転移率が非常に高いため、出来る限り腫瘍を取り除く意味でも

断脚が一番適切だと思いました。

断脚という手段は飼い主さんが最も悩む方法だと思います。

どうにか足を残せないか・切るなんてかわいそう・3本足のまま天国へいくのはかわいそうだから

それなら手術をせずにそのまま最期まできれいな体でいさせてあげたい・・

同じような病気になってしまった犬の飼い主さんや周囲の人が言った言葉。

私だって「骨腫瘍?じゃあ断脚しかないわ」って簡単に結論を出したわけじゃない。

苦しんで、たくさん悩んで、レディが一番辛くない方法はどれかと考えた末に

出した重い決断だったのです。

確かに3本足は見た目はかわいそうかもしれない。けど、放っておいてうんちを出したいのに

出せない状態が毎日続いて、苦しんでもがいて、最後に腸管破裂で死ぬのと(その前に

安楽死という方法もありますが)断脚をして少しでもまた家族と楽しく過ごす時間を

新たにもつことができるのと・・

そう考えた時、私達夫婦は断脚という方法に対して「かわいそう」とは思いませんでした。

決断した以上、手術はなるべく早い方がいい。

K先生はとても忙しい立場にいらっしゃるのに無理矢理時間を作って手術予定を

入れてくださいました。

本当に色んな先生方が私達のために力を貸して下さり、感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

 

 

         

 

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